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開発ストーリー(3)

◆思いがけない助け舟〜地元の方に支えられて〜

 この時、わかめ産地として有名な地元岩手県の漁業協同組合より、わかめ製品との組み合わせたセット商品として、大量の花けずりこんぶのご注文を頂くことができました。完成したばかりの商品がこのようなチャンスに恵まれることは、なかなかないことです。
 おかげさまで、そのあとほぼ2年間に及び継続生産を確保することができ、初期の生産の習熟と経営の安定を図ることができたのです。本当に、ありがたいことでした。

 

お店やチラシに出る

◆生協や高級スーパーにデビュー〜いろいろな方との出会い〜
 

 「花けずりこんぶ」「かつおこんぶ」を持って、大手食品問屋さんや小売業のバイヤーに売り込みに回りました。いろいろな出会いがありました。
 冒頭で述べたように「乾物」という地味なアイテムであるにかかわらず、味を見て「これは面白い!」と、売れない時期も辛抱強く置いてくださったバイヤーの方々。食品問屋の多くの営業マンの方が得意先のバイヤーさんに勧めてくださいました。生協のチラシにも掲載されるようになりました。町のお豆腐店のオーナー様との出会いがあり、実際に「かつおこんぶ」などを食べてみて、お店においてくださるようになりました。今では数十店舗の全国のお豆腐屋さんに「けずりこんぶ(お豆腐用)」を販売して頂いています。 

 たとえ良い商品ができたとしても、こうした多くの専門家のご協力がなければ、たくさんの方に実際に手に取ってもらうことはできなかったと思います。2001年ごろから始まって少しずつお店に並ぶようになってゆき、2008年頃には近畿・東海地方にも、商品が入り始めました。



ふんわり削りに進化

◆さらに「ふんわり削り」に進化 

 その後、最初の製造ラインを運用していくと、どんどん「もっとこうしたらより薄く口当たりの良い削りになるのではないか?」というアイデアが浮かんできました。ただ、資金がないのであきらめていました。たまたま「花けずりこんぶ」の製造方法について水産関係の専門家の方が「これは面白い!」と大変評価してくださいました。結果として、何とか資金を調達して3年間をかけて新しい「ふんわり削り」ができる第2世代の製造ラインに更新することができました。縁あって、使われずにいた中古の工場を譲っていただくことができ、新しい機械が稼働できる大きさの工場が確保できました。



 

 ◆東日本大震災。さらさらこんぶが思いがけず復興支援商品に。

  2011年念願の新製造ラインと工事が完成、工場に機械を運び入れ、立ち合い試験をしたのが3月9日でした。
 3月11日には新工場で早速作業に入っていたところでした。さいわい、新しい工場は高台にあったため、社員は無事で、工場にも被害はありませんでした。


 津波の被害の大きさから、社員の皆には、安全のため一晩を会社で過ごしてもらいました。数週間は電話・電気・水道は使えなくなりました。高速道路が封鎖され、物流も結局3週間程度は手配できなくなりました。営業が携帯でお得意さまと連絡を取り、チャーター便を手配して納期に間に合わせたりして、運良く急場をしのぐことができました。
 

花けずりこんぶ・さらさらこんぶ・かつおこんぶ  社員の家族友人など、東日本大震災が起きたためにプライベートではいろいろなことがあったと思いますが、皆が力を合わせて新しい工場を立ち上げてくれました。
 実は、ずっとお世話になってきた地元の昆布を使いたいとの思いがあり、3年ほどかけて地元漁協の有志の方と岩手県産の昆布で製品を作ろうと企画しました。それが2011年3月に出来上がっていた「さらさらこんぶ」「さらさらかつおこんぶ」です。
 不運にも保管しておいてもらった原料の一部は津波で流されてしまいましたが、何とか発売にこぎつけました。その後は復興を後押しするための商品になりました。


 

◆「おいしいから」の声に励まされて。

 現在では、全国のスーパーマーケットや生協で販売されているほか、お客様からじかにお電話を頂くこともしばしばあります。
振り返ってみると、はじめは到底難しいと思われた昆布の切削機を開発できたこと、その後も日々工夫を続けながらの製造、販売先開拓や研究開発が進められたことは、信じられないような幸運だったと思います。

たくさんの方の出会いによってご協力を得て、「きっと喜んで頂けるはず」という信念を曲げることなく進んでこられたことに感謝しています。

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